WAIT FOR THE RICOCHET/ THE STORY OF DEEP PURPLE IN ROCK

1970年Deep Purple MKIIの "In Rock" 発売前後に焦点をおいてSimon RobinsonとStephen Clareにより 書かれた初とも言えるヒストリー本!かなり濃い内容の
テキストとレアー写真、曲別のレコーディングデータや、コンサートデータが詳細に記されています。こちらでもご覧頂けます。
全168ページ、カラー、サイズ:210mm x 210m 、厚さ10mm
Deep Purpleの40年間における活動の中で、それを正確に、且つ詳細に記録したヒストリー本は数少ない。この本はオリジナルメンバーから新たにメンバー2人を交代し、Deep Purple MKIIとしての重要な最初のアルバムである”Deep Purple In Rock”を中心に1969年中頃からの2年間に集中して書かれたものだ。彼等は最初のアルバム発売当時はまだヨーロッパでは無名な存在で、彼等のアメリカでのアルバム発売権を持っていた会社は曲がトップ5に入っているにも関わらず、印税未払いのまま崩壊寸前だった。彼等はそんな運命を自ら変える為にメンバーチェンジを行い、新しい曲を作り、多くのギグをこなしその時期をなんとかやり遂げた。
アルバム”Deep Purple In Rock”が発売されて40年の間に、数限りないグループとミュージシャンに影響を与え、それはロックの歴史の中におけるマイルストーンである事に間違いないだろう。Deep Purple自身そのアルバムによって新しい方向性を定め、70年代の最も成功したロックバンドとしての地位を確立し、芸術的で創造力があったその時代の基礎を築いた。
この本はDeep Purple MKIIがヒットシングル”Black Night”の成功により絶頂期を迎えようとしていた1970年初期のリハーサル、コンサート、レコーディングセッションや、コンサートでの暴動、メンバーの急病、そして疲労困憊しバンドが軌道にのり始めた頃の色々な今まであまり知られなかった出来事、未公開の写真、詳細なコンサートリストなどこの本はDeep Purpleの重要な時期の歴史を詳細にファンに提供してくれる。
そしてこの本の為にジョン・ロードはインタビューに応じてくれ、ロジャー・グローバーとイアン・ギランはこのアルバムに対し新たな洞察を示してくれた。又、レコーディングスタッフやオリジナルマネージャーからの協力も得られた。
Deep Purpleの印象に残る並外れたライブパフォーマンスの根底には即興演奏という考えがあり、それはライブを通して強く感じられる。アルバムを作る際レコーディングでは彼等はそういったライブでの即興演奏から曲の手がかりを見つけていた。イアン・ペイスは “パープルは何でも上手くいっていた訳じゃない。基本的には自己中心的な部分を皆持っていた。ただ不思議と化学反応みたいな物があった。メンバー全員が自分のやりたい事が自由に出来るバンドなんて他には無いと思うよ” と言っている 。
”Deep Purple In Rock”は録音に着手してからリリースまでほぼ1年を要した。その為、60年代のサイケデリックなイギリスのアンダーグランドシーンと70年代のより攻撃的に変っていったロックの両面をこのアルバムが持っている事は注目すべき事だ。そしてこの本はそう言った当時のロックの歴史についても概要を提供している。これは通常のロックヒストリー本とは違い十分な情報が書かれている。
現在イギリスではLed Zeppelin, Black Sabbath, Deep Purpleがハードロックやヘビーメタルの三頭政治の起源と認められている。最初の2バンドに関しては多くの書物が発売されているが、この本により充分な埋め合わせが出来るだろう。
サイモン ロビンソン